ご挨拶

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心から"いいな"と思える家を、
ひとつひとつ丁寧に。

私は、幼い頃からずっとアイスホッケーに打ち込んできました。氷の上では、勝負に生き、誰にも負けたくないという気持ちで毎日を過ごしていました。でもそのぶん、ホッケー以外の世界をほとんど知らないまま大人になってしまっていたんです。

もっと広い世界を見てみたい。そう思って飛び込んだカナダの生活は、私にとって大きな転機になりました。
いろんな国の友人と出会い、自由な発想や多様な価値観に触れる日々。ホッケーしか知らなかった自分が、まるで別の人生を歩み始めたような感覚でした。あまりに毎日が楽しくて、気づけば将来のことを深く考えないまま、卒業の日を迎えていました。

帰国後、少し焦る気持ちを抱えながら入社したのは、中古の工作機械を海外に輸出する会社。営業として配属されたものの、何もわからないままシンガポール支店の立ち上げメンバーとして現地へ。
言葉も文化も違う環境で、懸命に営業を続けましたが、1年経っても成果を出せず、日本へ戻ることに。自分のふがいなさに悔しさがこみ上げ、結局その会社を辞めることになりました。

そこからは、何がしたいのかもわからないまま、いくつものアルバイトを経験しました。でも、どこにいても「これだ」と思えるものには出会えなかったんです。

それでも、何かを見つけたくて、スペインへ行くことを決意しました。そこで出会ったのは、建物や街並みに息づく美しいタイルやデザインたち。色彩と温もりに満ちた空間に、心が奪われました。
スペイン語を少し学べたことをきっかけに、次はメキシコへ。偶然見つけたコピー機の営業の仕事に飛び込むことにしました。

車もない見知らぬ土地で、炎天下の中、地図を片手に歩きながら地道に営業を続けた日々。断られることも多かったけれど、ひとつずつ信頼を積み重ねていくうちに、結果がついてくるようになりました。いつの間にか、会社の中でもトップに近い営業成績を出せるようになっていたんです。

人と出会い、会話を重ね、相手が本当に求めているものを見つける。そのやり取りに、自分の心が動くのを感じました。
「営業って楽しいな」と、素直にそう思えるようになっていました。

けれど、どこかで立ち止まる自分もいました。
仕事に手応えを感じる一方で、この先どんな人生を歩んでいきたいのか----その答えが、まだ見えなかったんです。

もうすぐ30歳になるのに、「これが本当にやりたいこと」と言えるものがない。海外での経験を重ねても、理想と現実のあいだで、自分の居場所を見つけきれないままでした。

でも、だからこそ、もう一度ゼロからやり直したい。そう思って、日本に帰る決断をしました。
すべてをリセットして、自分らしく生きられる場所を、これからもう一度、探していこう。そう心に決めて。

 日本に帰ってきて、「これから何をしていこう」と迷っていた頃、たまたま大阪で輸入住宅を扱う会社が立ち上がるタイミングで、その仕事に出会いました。
建築の世界は、まったくの未経験。でも、カナダで見てきた景色や暮らしが、自分の中にしっかりと根づいていたことに気づいたんです。そんな家を、日本でつくることができる----それは、ただの偶然じゃなくて、きっと何かのご縁だったのかもしれません。

それからはがむしゃらに仕事に打ち込みました。 知識も経験もゼロからのスタート。現場に足を運び、職人さんたちの仕事を間近で見て学び、設計図を必死に読み込み、、材料の選び方や施工の流れを学ぶ日々。試行錯誤を重ねながら、少しずつ家づくりの本質を理解していった。 中でも、お客様との打ち合わせで一緒に間取りを考える時間が、本当に楽しかった。
「どんな家にしたいか」「どんな暮らしをしたいか」----そんなお話をじっくり聞きながら、理想の住まいを少しずつ形にしていく。その時間は、ものづくりというより、人と心を通わせるような仕事でした。

お客様と向き合う中で、次第に気づいたことがあります。
輸入住宅に憧れる方たちが求めているのは、単にオシャレなデザインだけじゃないんです。
「自分らしさを大切にしたい」
「家族と心地よく過ごせる場所がほしい」
「毎日がちょっと楽しくなるような暮らしがしたい」
そんな想いが、そのひとつひとつに込められているんだと。

お客様の想いに触れるうちに、自分自身もいつの間にか、家づくりの魅力にどんどん引き込まれていきました。「家」というものの持つ意味を深く考えるようになった。 限られた予算の中でも、お客様の想いをカタチにしていく----そのプロセスが、誰かの人生の土台になっていく。そんな仕事に、心からやりがいを感じるようになったんです。
「やりたいことが見つからなかった自分」が、夢中になれた瞬間でもありました。

初めて「やりがい」というものを感じた瞬間だった。
ただ、順風満帆ではありませんでした。

入社して3年目、会社の業績が少しずつ厳しくなり、仲間も次々と退職。そんな中で、社長から「新しい店舗を出してみないか」と言われました。
会社の挑戦と、僕の挑戦。それが重なった瞬間でした。

出店場所を探し、地域のニーズを調べて、お店をゼロからつくる----すべてが手探りでした。決して順調なすべりだしではなかったが、コツコツと受注を積み重ねていきました。
そんなとき、あるデベロッパーさんから声をかけていただきました。
「この126区画の分譲地で、街全体をプロデュースしてくれないか」と。
驚きましたが、私の中にはスペインで見た"美しい街並み"の記憶がよみがえってきました。

年月を重ねることで味わいが増し、そこに暮らす人とともに成長していくような、そんな街の姿です。「そんな場所にしたい」
そんな想いで、街全体のデザインを考え抜きました。
難しいと言われながらも、一歩ずつ形にしていく中で、他のデベロッパーさんからもお声がかかるようになり、さらに大きなプロジェクトにも関わらせていただきました。

でも、すべてが順調だったわけではありません。
何度も壁にぶつかり、悩んで、迷って、それでも立ち止まらずに進んできました。
そのたびに、お客様と一緒に考え、笑って、時に涙して。
家づくりは、いつしか自分の"生き方そのもの"になっていました。

13年間、店舗の運営に全力を尽くしてきました。売上も毎年上がり、過去最高を記録し続けました。
けれど、ある日突然、会社の方針が変わり、私は更迭されることになりました。
そのとき気づいたんです。 「努力が報われないこともある」
でも、それで終わりじゃない、とも。

大切な人との未来、自分のこれからの生き方----
選べない道もあるけれど、それでも前に進まなければならないときがある。
どんな道であれ、今の自分が胸を張って歩けるかどうか。
だからこそ、私は退社という選択をしました。

家づくりには、不思議な力があります。

独立してから改めて気づいたことがあります。
それは、家をつくることは、ただの「建物を建てる」ことではなくて、
お客様の「これからの暮らし」や「生き方」に、大きく関わるということ。

家づくりが始まるとき、多くの方は「どんな間取りにしよう?」「どんなデザインがいいかな?」と、楽しそうに話してくれます。
でも、打ち合わせを重ねるうちに、
「どんな暮らしをしたいか?」
「これからの人生を、どう生きていきたいか?」
そんなことを真剣に考えるようになっていくんです。

一つひとつの選択を重ねながら、
理想の住まいが形になっていく過程で、
少しずつ、お客様の心にも変化が起きていくのを感じます。

「家族と過ごす時間が増えました」
「家に帰るのが楽しみになりました」
「人を招くことが増えて、毎日が豊かになりました」

そんなお声をいただくたびに、
この仕事の意味を改めて感じるんです。

家を建てることは、ゴールではなくて、
新しい人生のスタートなんだと。

私自身も、旅をしながら、自分の人生を探していました。いろんな場所で出会った価値観や景色が、いつの間にか"家づくり"の原点になっていたんです。

カナダでは、ホッケーを通して「勝つことよりも大切なことがある」と気づかされました。
自然に囲まれた広い家々は、家族がともに生きる場所で、心が豊かになる空間でした。

シンガポールでは、限られた空間の中で、
いかに快適に暮らすかという知恵に触れました。
仕事でうまくいかない時期もありましたが、
それが「本当に人の暮らしに寄り添える家って、どんな家なんだろう?」と考えるきっかけにもなりました。

スペインの街では、建物や街並みがただの景色ではなく、
「人とともに生きている」と感じる場所に出会いました。
そして、メキシコでは、毎日を精一杯生きる人たちと出会い、
家というのは、人生そのものなんだと教えてもらいました。

そして、いろんな景色を見て、迷ったり立ち止まったりしながら、ようやく"自分の居場所"にたどり着く。歩いてきたこの道が、いま"家"というかたちになろうとしている。

だから、私はこう思います。

理想の住まいを形にするということは、
その人の「これから」を一緒に考えていくこと。

人生には、選ばなかった道や、手放さなければならなかったものがあるかもしれません。
でも、それでも前に進もうとする力が、人にはあります。

「この場所ができてから、気持ちが前を向くようになりました」
「落ち着ける空間があることで、新しいことに挑戦できるようになりました」
「帰る場所があるという安心感が、毎日の支えになっています」

そんなふうに、お客様の人生が動き出す瞬間に立ち会えることが、
この仕事の何よりの喜びです。

家づくりを通して、お客様が「自分らしい未来」に一歩踏み出す。
その背中を、そっと押すような存在でありたいと思っています。

どんな状況でも、どんな立場でも、
未来はきっと変えていけます。

この家が、あなたにとっての「未来への扉」となりますように----
そんな想いを込めて、これからも心を込めて家をつくっていきます。


芯心デザインワークス 代表取締役 山本 洋一

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